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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第21章 番外編第四話【轍~わだち~】

 祖母は鷹揚に笑った。
 それでも晶が口をつぐんでいると、 祖母はふと真顔になった。
「話したいことがあって来たんでしょう?」 本当に何もかもを見通されているかのような視線に、晶は思わずうつむいていた。幼い時分からそうだった。小学生の頃、仲好しの女の子と些細なことで喧嘩して、なかなか仲直りできなくて悩んでいたときも、ここに来て祖母に打ち明けた。

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