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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第4章 第一話【空の記憶】~真実~ 

 許婚者であった青年の面影の次に、幸がまず最初に思い出したのは、あの不気味なほどに黒い嵐の予兆を感じさせる空だ。何故、あの空の色が初めに浮かんだのかは判らない。
 しかし、あれは無意識の中にあまりにも強烈な印象を与えていたのかもしれない。だから、沼の底に沈んだ記憶のかけらとして、最初にぽっかりと浮かび上がってきたのだろう。

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