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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第4章 第一話【空の記憶】~真実~ 

 白いカモメは蒼い空を上昇し、やがて空に吸い込まれるように遠く見えなくなった。
「あのカモメは一体、どこに飛んでゆくのかしら」
 幸が依然として空を見上げたまま呟く。
 亮平が小首を傾げた。
「さあ、どこにゆくんだろうな」
「カモメにだって帰ってゆく家がちゃんとあって、自分がどこにいれば良いか知っているのに」

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