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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第4章 第一話【空の記憶】~真実~ 

「気づいていたのか?」
 亮平はもう〝澪〟とは呼ばなかった。幸は切なげな微笑を浮かべた。記憶がはっきりと戻ったのは、今朝だった。前夜、一瞬思い出したのは婚約者の顔だけで、亮平に乱暴されそうになった衝撃で何も考えるゆとりすらなかった。激しく泣いた後、幸は呆気なく泣き疲れて眠り込んでしまった。

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