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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第4章 第一話【空の記憶】~真実~ 

「―私」
 幸は言いかけて、言葉を呑み込む。
「お前は帰るんだよ、お前を待つ人がいる、お前がいるべき場所に」
 亮平がもう一度、幸を見る。その刹那、幸は自分の内なる声を聞いた。
―本当に良いの? このまま帰ってしまったら、この男性(ひと)とはもう二度と逢うことはできない。それでも、迷いはしない? 後悔はない―?

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