近くて遠い
第16章 朝食の味
「はぁっ……はぁ…はぁ…」
私は息を漏らしながら
唇が離れたことを、
ちょっとだけ悲しんだ。
「……今夜は…お前を抱くぞ」
同じように息を切らしながら、光瑠さんが放った言葉に胸がドキッと鳴った。
キスの余韻に酔っていた私は疼いた身体を収めようと光瑠さんの首に手を回してギュッと抱き付いた。
「っ…!?」
光瑠さんは最初驚いたようにしていたが、すぐに私の身体を抱き締め返してくれた。
「光瑠さん…」
恍惚の中、私は光瑠さんに力一杯抱き付いた。
「……暇だと言ったな…」
だんだんと身体の熱が冷め出したころ、光瑠がそう言った。
自分がしていることがとても恥ずかしい事だと思った私は、ゆっくりと光瑠さんから離れてコクッと頷いた。
「じゃあ連れてってやる。」
「え……?」
「もうすぐ運転手が来る。」
光瑠さんはそう言うと、私を持ち上げて、膝から降ろした。
そして目にも止まらぬ早さでネクタイを結ぶ。
嵌められた…
と思った。
光瑠さんはお箸を持って、ちょこっとだけご飯をついばむと、私の腕を掴んで、ものすごい早さで部屋を出た。
私は息を漏らしながら
唇が離れたことを、
ちょっとだけ悲しんだ。
「……今夜は…お前を抱くぞ」
同じように息を切らしながら、光瑠さんが放った言葉に胸がドキッと鳴った。
キスの余韻に酔っていた私は疼いた身体を収めようと光瑠さんの首に手を回してギュッと抱き付いた。
「っ…!?」
光瑠さんは最初驚いたようにしていたが、すぐに私の身体を抱き締め返してくれた。
「光瑠さん…」
恍惚の中、私は光瑠さんに力一杯抱き付いた。
「……暇だと言ったな…」
だんだんと身体の熱が冷め出したころ、光瑠がそう言った。
自分がしていることがとても恥ずかしい事だと思った私は、ゆっくりと光瑠さんから離れてコクッと頷いた。
「じゃあ連れてってやる。」
「え……?」
「もうすぐ運転手が来る。」
光瑠さんはそう言うと、私を持ち上げて、膝から降ろした。
そして目にも止まらぬ早さでネクタイを結ぶ。
嵌められた…
と思った。
光瑠さんはお箸を持って、ちょこっとだけご飯をついばむと、私の腕を掴んで、ものすごい早さで部屋を出た。