近くて遠い
第3章 父の残したもの
アパートにつくと、何やら男の人の声がガヤガヤと聞こえた。
うるさいな…
不思議に思いながら階段を上がると、
スーツを着た大きな身体の男二人が私を見た。
何……?
ただならぬ雰囲気に、嫌な予感がして背筋がゾワゾワとした。
そんな私をただニタニタとみている男たち。
気味が悪くてしょうがない。
私はなるべく目を合わさないようにして、家の鍵を開け、すぐに中に入ってドアを閉めようとした。
その瞬間、
ガンっとすごい勢いで男の一人がドアの間に足を挟んで閉まらないようにしてきた。