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近くて遠い

第22章 距離

「ええ。」



微笑む古畑さんから、目をそらした。


心配…


なんか、すっごく嬉しいかも…



「光瑠様はそれはもう愛しそうに真希様の事をお話しになる──」



その言葉にドキッと胸が鳴る。



「光瑠様が安心する報告が出来るようにしてくださいませ。」



「っ……分かりました。」


ドキドキドキと鳴り響く胸を抑えて、私は古畑さんに頭を下げてそこにをあとにした。



会いたい──


3日会ってないだけなのに、おかしい…



自分の部屋に戻って窓から大きくそびえ立つ有川商事の建物を見つめた。



あそこにいるんだよね…



いつになったら、

会えるだろう…


朝もっと早く起きれば会えるだろうか?


いや、寝るのを遅くして…


そんなことを考えながら、また夜を迎える。



会いたい気持ちが強すぎるのか、ここ最近は夢に光瑠さんが出て来る。



────────真希…



そう言って優しく彼は私に口付ける。



今夜もその夢が見れるだろうか…


ベッドに入って頑張ってその夢を見ようとすればするほど胸が高鳴って眠れない。



「変なの…」



そうポツリと呟きながら時計を見る。
深夜1時になろうとしている。


いつ帰ってくるの…?


そんな事を思いながら、私はベッドから身体を起こした。


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