テキストサイズ

近くて遠い

第29章 虚構の愛、真実の愛


暑くはないのに、光瑠の額に汗が流れる。





光瑠はひたすら走った。



そして


ドアノブを掴んで


ゆっくりと扉を開けた。



「っ………!!」





何のために


早く帰ってきたか




それは、



真希に早く会うためであったのに。





真希は

自分ではない他の男の──

要の腕の中で





静かに唇を重ねていた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ