近くて遠い
第40章 温かな場所
「ぅっ…
ひかる…さ……んっ…」
泣きじゃくりながら、
真希も何かを伝えようとする。
「っ…私もっ…
…っ……
っ……
…愛してますっ……」
満たされなかった光瑠の心に
真希の愛の告白が染み込んだ。
二人は
涙を流しながら、
互いを見つめ合う。
ずっと
その言葉を待っていた
そして
自分も伝えたかった──
二人は互いに感動で胸を震わせると、
引き付けられるようにして
唇を重ねた。
入れ違っていた想いも
共に重なる──
二人は
しばらくそのまま
唇を重ねながら抱き合っていた