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「あ………有川さっ…えっ？きゃぁっっ」



有川様は鋭い目で私を睨んだまま、乱暴に私の腕を掴んで引っ張った。



有川様……



私を助けてくれたの……？

この前、怒っていたのに…

なんで…？



「はぁ…はぁ…、あ、ありかわ、さま…ちょっと待っ……てくださいっ」




あまりに早い足取りに懸命に追い付こうとするがドレスがタイトでうまく走れない。


VIPルームに向かってる…？



私はたくさんの人の視線を感じながらただ何も言わない有川様に、強引に引っ張られて歩いた。




バンッ！



とてつもない音を出していつものVIPルームの扉を開けると、有川様は私を部屋に入れ、すぐさま扉を閉めてそこに私を追いやった。


「はぁっ…いたっ」



扉に勢いよく打ち付けられた背中に痛みがはしる。



そして、怒り狂ったその表情が目の前に迫る。



こっ、こわい…


あまりの形相に私は息をするのを忘れるほど膠着した。


「なぜ、他のやつの接客をしている。」




低い声が身体に響き渡る。




「なぜって…んんん！？」



答えを待たずに私の唇を有川様は塞いだ。



くるしい……！！



ただでさえ息の上がっていた私は酸素が足りなくて、本当に死にそうになり、苦しくて涙を流した。