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最初で最後の恋

第20章 浄化

「実際に早苗ちゃん、






優しい子だったじゃない」



早苗ちゃんはくすっと笑って、流していた涙を拭った。


ゆっくりと立ち上がる彼女の姿に、なんだか迷いはなかったように見えた。


「ほーんと、平凡な人って能天気というかお人好しと言うか…


バカらしくなっちゃった」


そう言って早苗ちゃんは蓮のほうに向き直る。


「もうあたしたち、本当におしまい。


蓮の身体を繋ぎとめても、心がないんじゃ意味ないわよね。


…ごめんなさい。そして…





ありがとう」


茶色の髪がふわりと風で揺れる。

ありがとうと言って微笑んだ早苗ちゃんの横顔は、女のあたしが見ても綺麗で…



見とれてしまった。

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