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最初で最後の恋

第21章 早苗の過去

誰でも良かったはずだった。


蓮はすんなりとあたしを受け入れてくれた。それだけで、十分だった。


情事が終わった後、あたしは黙ったままの蓮にすべてを話した。


蓮は静かに頷いて聞いてくれた。


「話してくれてさんきゅ、な。

俺もさ…本当は………」



この時、蓮はぽつりぽつりと自分のことを話した。


お母さんに本当は愛されてなかったこと。



あたしたちは、同じ境遇なんだ。
同じ苦しみを背負ってきたんだ。


それなら、あたしはあなたのそばにいる。


だから、あなたもあたしの隣にいて?






あたしたちは、お互いが必要なはずだから。

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