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最初で最後の恋

第4章 動き始めた時間

思わず聞いてしまったけど、よく考えたらあたしを探してた理由なんて知る必要ないんじゃないかって思った。


だってこれから先進展なんて有り得ないし。


それにこのまま押されてヤられたらどうしよう。そんな不安がよぎる。


確かにあの日キスされたとき、今まで恋愛に疎かったあたしでもドキドキした。

唇が触れた瞬間柔らかさや甘さが伝わってきて、初めての経験だったあたしにはただただ受け入れることしかできなかった。


それでも嫌って感じなかったのは、彼の瞳が潤んでいたから。

純粋な瞳があたしのことを捕らえて離さなくて。


彼だからそう思ったのか、初めてだったからなのか。この気持ちを確かめたいと思ったのかもしれない。


でも、彼にとってあたしなんてたまたま見つけたおもちゃみたいなものとしか思ってないはず。

そう思っていたあたしは彼の返答にあまり期待していなかった。

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