俺の聖なる剣
第10章 ハゲ
みんなで一つ
と言うけれど
一人かけても
気づかないでしょ
それが
何度も
何度も
繰り返されるから
やっと気づいて
慌てる素振り
周りからの意見が
あっても気にしずに
思うがままに
やってきたらこうなった
人生なんて
歴史のほんの一部だから
短いものだと決まっている
最初にあったものが
最後まであるわけじゃない
自分の後ろを見れば分かる
自分の背後に消えていくものたち
自分の後ろ姿が
むなしくて かわいそう
今から
気遣ったって遅い
もうラストスパートに入り出した
その惨めさがわからないように
まだ残ってくれているもので
自分をカバーするけど
間を
見ると バレバレだ
人間は
年を重ねて
人生経験豊富になると
そういうものだと
言うけれど
もっと気遣えばよかった
こんなに気にするなんて思ってもみなかった
と過去をさかのぼるだけ
時を重ねるごとに
髪が減っていく
時を重ねるごとに
頭皮が見えてくる
時を重ねるごとに
おでこの範囲が広くなる
そんなわたくし
ハゲである