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秘密の派遣業務

第36章 離れ離れの生活

紗江からの手紙は殆ど近況報告で、紗江の気持ちに関する部分は一切書かれてはいなかった。

だけど、桐沢にはそれが反対に紗江の気持ちの表れだとわかっていた。
必死で寂しさを堪えている。
桐沢を心配させないように…そんな紗江の気持ちが伝わってくる…。

桐沢「…紗江は本当に我慢強い…。」

それが頼もしくもあり、寂しくもあった。

会いたいという衝動が湧き立つ。

桐沢「…俺の方が…限界だ…。」

桐沢は自嘲気味に笑う。

桐沢「こんなに…焦がれている…」

紗江からのたった一言の欲しい言葉を桐沢はずっと待っていたのだった。

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