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秘密の派遣業務

第43章 絆

(…直哉さん…やっぱり忙しそうだね…)

直ぐに机に向かった桐沢の背中を見つめながら紗江は気付かれないようにフゥと息を吐いた。

桐沢の食事の心配もあったが1番はやはり会えなくて紗江自身が寂しかったのだ。

(…頑張ってる直哉さんにわがままは言えない…)

自分にそう言い聞かせながらゆっくり近付き覗き込む。

紗江「……………それ…帳簿?」

桐沢「……え?…ああ…そうだよ。」

紗江「……………………」

桐沢「……………………」

(…直哉さん…帳簿付け…苦手…?)

紗江の目にはそのように映った。

紗江「………ねえ…私がしようか?」

桐沢「………え?」

驚いて紗江を見上げる。

紗江「…帳簿…私がした方が…速いよ?経理の勉強したし。」

桐沢「……いいのか?」

ありがたい申し出だった。

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