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私の掏明くん

第25章 決断



東矢「…」


心が痛まないと言えば嘘になる
だけどもう進む足を止める事は出来なか
った
住み慣れた家
貴子と一輝と一緒に暮らした
この家から出ようとしている足を止める
事は…


東矢「…」

貴子「うっうっ…ぐすっ…」

東矢「…ッ」


ドアノブに手をかけた時
聞こえてきた貴子の泣き声に心が揺れた
心が揺れ
決意が揺らいだ


東矢「…」


千尋の事が好きな自分
だけど貴子の事を好きな自分もいる
優柔不断と思われたが、これが今の自分
の正直な
気持ちだった


貴子「うっうっ…ううっッ…」

東矢「…貴子」


覚悟を決めたのに
思わず引き返してしまった東矢
この行為が貴子を余計傷つけるとわかっ
ていながら
決めきれない東矢
だけど…


東矢「…!?」

一輝「…」

東矢「一輝、どうした?」

一輝「…」


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