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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

「香織っ!」


咄嗟に携帯を見たが…


「海外…決まってからにするか…」


散々待たせたんだ…受賞も海外進出も、ちゃんと言える状況にならないと、無責任だよな…。


俺は…それが正しいと思ったんだ…。 


そして責任持って…香織の全てを受け止めるつもりでいた。


俺の理想と…


香織の理想…


見ている未来は、同じだと思った…。


…本当は…ただ向き合えば良かった何て…。


この時の俺には、微塵にも思っていなくて…。


ほんの少し向きが変わっただけだと思ったんだ。


でも…知ってるかい?


一ミリずれたら…


一年後には…


何ミリ離れてると思う?

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