テキストサイズ

不器用なタッシュ

第4章 シエロ

シチューくらいで喜ばれるのも不思議なんだけど…。


「あの…服のサイズとかって…何号なんですか?」


またまた、謎な質問だな。


「う~ん…解んない!気に入って着れたら着る感じ。」


「はぁ…そうなんだ…。」


あれ、ちょっと落ち込んだ。


しばし沈黙…。


まだ二人きりは、気不味いな…。


「須永さんは…好きな画家とか、作家さんとか…リスペクトしてる人とかいます?」


あ~良く聞かれるけど…いつも答は


「いないかな…。」


「そ…ですか。」


彼女は、口をつぐんで俯いてしまった。


シ~ン…。


それからは、ただ二人でメニューを睨めっこしていると、安岡が現れて少しホッとした。


「お待たせ~!まだ頼んでない?」


「あぁ…メニュー選んでて。」


「安岡さんが、来てからと思って。」 


そうなんだ! 
だから質問で間を持たせてたのか!


「渡辺さん優しい~!待たせてごめんね!」


「いえいえ、先に来させて貰って、すみません!」


二人の間に、何か強い絆が見える気がするんだけど…。

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