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なななのな♪

第50章 200名のファン様へ感謝企画第②段 ~要編~

有川商事副社長、関根要は会社に漂うはずのない甘い香りに顔をしかめた。

「あっ、要さん」

現れた真希の姿に要は少し驚いたあと、すぐに優しく微笑んで近付いた。

「嬉しいな、真希さんに会えるなんて…」

そんな要の言葉に真希は顔をほんのり赤らめると、持っていた大きなお皿をゆっくり要にかかげた。

「これは…?」

「今日うちでパーティーがあって…一回試しに焼いてみたんです。あのっ…良かったら…」

出されたフルーツタルトを見て要の口が綻ぶ。
そしてひときれ掴むとそれを頬張った。

「………おいしい…」

目を見開きながら要がもらした言葉に真希が照れながら、お礼を言った。

「──デザートのあとのデザートもいただけるんですよね…?」

「え…?」

よく分からぬ要の質問に真希が聞き返した。

「今度は真希さんが食べたい…」

「かっ…要さんっ…!?」

グッと壁に追いやられた真希はお皿を持ちながら困惑した。そんな様子を見て、要はニヤリと笑う。

「────冗談です」

「なっ…!」

「あなたの方から求めてくるのを僕は待ちますよ。」

要の甘い囁きに真希は思わずお皿を落としそうになった。

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