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なななのな♪

第53章 残業──火傷に注意…? sakatasu様へ

「はぁっ…」

中々終わらない残業にsakatasuは大きな溜め息を洩らす。

「お疲れ様です。」

甘く芯のある声。

フワリと安らぐ香りが漂ったと思ったら、目の前にティーカップが置かれ、ハッとして彼女は顔を上げた。

「副社長っ…」

女性社員皆の憧れ、副社長関根要が机に寄り掛かりながら微笑んでいた。

「これ、カモミールティーです。」

sakatasuはその言葉に目を見開くと、慌てて上司に頭を下げティーカップを手に取った。

「あ、そんなに慌てたら…」

「熱っ…!」

緊張したせいで軽く舌を火傷したsakatasuを見て、要は心配そうに眉を下げると、親指でゆっくりとsakatasuの唇を撫でた。

「大丈夫ですか?すみません…もう少し冷ましてから出せば良かった…」

「えっ…あっいやっ…私が副社長にドキドキしちゃったせいで──」

思わず口にしてしまった言葉にsakatasuはハッと息を飲んだ。

そんな彼女の言葉に要は目を見開いたあと、熱っぽく見つめて顔を近付けた。

「そんなこと言われたら…あなたへの熱すぎる想いが溢れて、僕も火傷してしまう…」

「っ…」

ナイス残業──
彼女は心中でそう呟き目を瞑った。

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