
なななのな♪
第104章 2月14日
「名前は…?」
姉貴が落ちたチョコレートを拭いている間に、兄貴が湯煎してるチョコに指を突っ込んだ。
「…………亜紀乃」
「亜紀乃…?なに、超かわいい名前じゃんっ!」
「うん」
かわいいのは、名前だけじゃない。
「今度連れてこいよ」
「私も見たいー」
「…………よくうち来るよ」
俺の返事を聞いて、姉貴はまたチョコを溢し、兄貴は目を丸くした。
「学……お前やるなぁ…。てかヤってたんだな」
…?
「私、学にはそういう欲ないと思った。」
欲…?
「なんか、俺安心したわぁ。」
「私も」
勝手に顔を見合わせて笑う二人。
よく分かんないけど、安心したなら良かった。
「明日どんなチョコもらえるか楽しみだねっ…!」
「………チョコ?」
俺が聞き返すと、兄貴がバシバシ俺の背中を叩いた。
「もらえなかったりしてっ」
「…………誰から?」
俺の質問にまた二人がフリーズする。
昔から
こんなんばっかり。
そんな二人の息ぴったりの動きが面白かったりする。
