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ただ…愛してる

第16章 閉ざされた俺

あの日俺は
運に見放された


いや。幸せが
俺から逃げたんだ





信号待ちしていたんだよ

そしたらさ

はなこさんと旦那と息子君が
三人で歩いていたんだ…



『つっこんじまうぞ…』



聞いてねーし



俺の中で何かが
音をたてて崩れた。


帰宅した
部屋は
温かなにおいがした
それを
はなこと会う前の部屋に戻した
総てを




俺は…閉ざしたんだ。

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