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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 彼の演奏は、まるですべてを委ねられるかのように安堵できる気持ちになれる。それは、亡きフィーロと共に過ごした刻(とき)にも似ていた。
―私は生きなければならない!!
 タリムの意識の奥底からそんな想いが湧いてきた。
 自分は生き続けなければならない。亡き恋人のために、無念の死を遂げた父のために、そして犠牲となった多くの故国の民のためにも。

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