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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

 いずれにしろ、いにしえから息づく火の鳥伝説は、今もなおこの砂漠の国の人々の間に深く根付いている。旅行前に読んだガイドブックにも書いてあったことを、光香子は思い出していた。
 彼女の見つめている先には明け初(そ)めたばかりの空がある。彼女は踵を返し、ゆっくりと歩き出した。背後に徐々に藍色から菫色、茜色に染まりつつある空がひろがっていた。刻々と色を変える空に、夜の名残を告げるかのように星が一つだけ瞬いていた。                   (第一話 おわり  )

 ☆明日から第二話
  「国境の月」へ☆

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