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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 この男は確かに「姫君」とタリムを呼んだ。タリムは数日前、国を滅ぼされ、身一つでひそかに落ち延びてきた正真正銘の「姫」なのだ。恐らく、この男が「姫」と呼ばわったのは戯れ言にはすぎまいが、今のタリムには笑っては済まされない冗談である。

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