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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 タリムが見ている前で、男は拾い集めてきたらしい枯れ枝を重ね、器用に火を熾した。その手慣れた様子から、彼が旅慣れているようなのは確からしいとタリムは見当をつけた。が、やはり、その逞しい両手は、竪琴をかき鳴らず楽人の手ではない。武器を持って戦う―彼女のかつての恋人フィーロのような戦士の手であった。

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