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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 男の言葉にふと頭上を振り仰げば、リーラの樹には数個の実がついていた。先刻見たときには判らなかったけれど、どうやら、実の他に花も幾つか咲いているようだ。
「暗くて良く判らなかったのです」
 小さい声で呟くと、納得したのかしないのか、男はタリムに倣って上を見て言った。
「月が出ているな」

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