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旦那様と甘い日々

第3章 chapter 3




「はっ、ヤバ…」と彼の嘲笑うような声が後ろから聞こえてくる。彼も一緒にイッたはずなのに全くの疲れも出ていない。


彼は「文香、」と私の中からものを抜くとくたっと疲れきっている私の肩を押して仰向けにさせるとちゅっと口付けをした。



「ありがとう、好きだよ」


「んっ……、もっと…ぉ…」


「いくらでもあげる」



私に覆い被さり深いキスを何度も繰り返す。絡み合う舌に2人とも瞼を閉じてお互いを一番に感じ続けた。


彼の唾液を飲み込む私に満足したように離れた彼は自分の服を整え、私の上から退いた。そしてぐったりとしている私の体に腕を通すと私を抱き上げた。



「っ!!な、なに!?どこ行くんですか!?」


「寝室」


「ふ、ふぇええ!?」


「ここでぐったりされてても困るしねー」



お姫様だっこのまま彼の言った通りに寝室へと運ばれた私はベッドの上に降ろされると彼によって乱れた服装を直された。


このままどうすりゃいいんだ、と彼を見つめていると、



「ごめん、ちょっと電話掛けるね」


「……はい」



そう言うと彼はベッドから離れてまた例の電話の相手と通話をし始めた。



「……あ、その書類です…はい、すみません、手間かけました、はい……」


「……」



普通にお仕事してるときは格好いいのになぁ……


お仕事中の真剣な顔とか、元々働いていた職場も違うからあんまり見たことないからときめいてしまう。


と、



「……あ、猫ですか?坂口さん猫好きですね」


「っ……」


「遊び疲れて寝てます。……嫌ですよ、可愛いから。見せたくないんです」



私に聞こえるように話す彼にむーっと不機嫌そうにするとそれを見た彼がクスッと笑った。


彼は通話を切るとこちらに寄ってくるとベッドの上に腰を下ろし、私の顔を覗き込む。



「私、猫じゃありません」


「怒んないでよ、俺の嫁さんでしょ?」


「~~!!」



彼は私の頭を撫でながら優しく微笑んだ。



「あれ、ごろごろ鳴かないの?」


「だから猫じゃありませんって」




【終わり】




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