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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第3章 すれ違う心

「殿下、殿下は代わりのきかない大切なお身体にございます。ご書見に勤しまれ、知識を広め君主としての徳を積まれることは真に大切なことだとは存じますが、そのように毎夜、根をおつめになっては、お身体が保(も)ちますまい」
 崔内官はかつての張尚宮がそうであったように、王に対しても諫言めいた科白をしばしば口にする。王もまた崔内官を父のように思っているため、無礼として咎めることなく、素直に忠言に耳を傾けるのだった。

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