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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第3章 すれ違う心

「そなたは、あれをそなたが至らぬゆえに、予が不機嫌なのだと解したようだが、事実は全く違う。初めてそなたを見てからというもの、予はそなたのことばかり考えるようになった。理由は判らぬ、ただ、大臣たちとの会議に臨んでも、進講を受けていても、何をしていても、そなたの面影が眼の前に浮かんで消えぬのだ。もしかして、これが恋と人が呼ぶものではないかと、予はその時、初めて気付いた。

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