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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第3章 すれ違う心

 それなのに、何故、自分はあの女―孫明香を愛してしまったのか。王が手を触れようとすると、泣いて厭がり、逃げようとする女なのか。四ヵ月前の夜、明香も確かに自分に想いを寄せていると感じたのは、所詮思い上がり、自分一人の思い込みだとでもいうのだろうか。
 だが、もう引き返せない。

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