テキストサイズ

秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

 そこで、唐突に予期せぬ人の名が出て、明香は眼を見開く。つい先刻、何とはなしにぼんやりと張尚宮のことを思い出したりしていたので、はては心の内を読まれたかと焦った。
「は、はい」
「今日、そなたをここに呼んだのは他でもない、張尚宮の後釜についてだ」
「―」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ