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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

 後から何度思い返してみても、天地がひっくり返ったとしても、これほど愕きはしなかっただろう。―それほど明香にとっては晴天の霹靂といえた。
「で、でも、何故、私などが―」
 永遠とも思える長い静寂の後、明香が口にできたのは、そのひと言だった。
 どうしてだとか、何故という言葉が頭の中でぐるぐると回る。

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