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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

「それゆえ、そなたが主上に自ら選んだご側室を献上しようと申すのだな」
「はい、側室がどうしてもお気に召さねば、せめて中殿さまをお迎えになって頂きたいというのが我ら後宮にお仕えする者の総意にこれ他なく、仁明王后さまがお亡くなられてから、はや二年近くが経とうとしておりまする。ここらで是非、大妃さまより主上にお母君としてその旨をお話しになって頂ければ、我らはいかほど心安らかになりましょう」

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