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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

「はい(イエ)」
 明香は小さいが、はっきりとした声で応える。ここは、どうでも柳尚宮に納得して貰わないといけない。適材適所という言葉があるように、身の程をわきまえない高みを望んでは、何もかも―この十年間で懸命に積み重ねてきたものまですべてが台無しになってしまう。

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