テキストサイズ

秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第2章 禁断の恋

 今夜にでも柳尚宮の部屋に行って、相談してみよう。このままの状態が良いわけがない。折角機会を与えられたのだから、たとえ結果がどうあれ、最善を尽くしたい。
 明香が持ち前の前向きさを少しだけ取り戻したその時、ふいに背後から何者かが近付き、彼女の眼を大きな手のひらが覆った。
「―!」
 明香は背筋に氷塊を入れられたように、スウと身体が冷えてゆくのを感じた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ