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妄想と生きる。

第36章 切ない日々。

救急車がきた。


旦那が呼ぶように姑に言ってくれたみたい。

私のこと心配してくれてるの…?

救急車に乗る時、旦那の姿が見えた。

わざわざ来てくれたの?

私なんかのために…

一瞬、痛みを忘れるほど嬉しかった。


病院について、いろいろ検査してもらった。


どのくらい時間が経ったのかな…

旦那はもう帰ったのかな…

長い時間待たされてイライラしてるんじゃないかな…


痛みと高熱でボーっとする意識の中、考えていた。

ようやく検査も終わり、痛み止めの注射をしてもらうことになった。

注射をする直前、私は看護士に聞いた。

『…主人は、もう帰りましたか?』


『待合室に居ますよー。
 ちょっとチクっとしますねー。』

腕にされた痛み止め。

その瞬間、涙が出てきた。

注射が痛くて…じゃないよ。

旦那がまだ居ることを知って何だか安心したのだ。


しばらくして、病室へ移った。


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