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妄想と生きる。

第36章 切ない日々。


どこに行くの?

その女、誰?

私は、どうなるの?

待ってよ!


声が出ない。

旦那が誰かとどこかへ行ってしまう。

私は追いかけようとするのに全然追いつかない。

声も出ない。



目が覚めた。

夜中だった。

抗生剤の点滴の時間だった。

私はホッとした。

夢で良かった。

入院中、何度見たか分からない悪夢。

入院中、私はどれだけ泣いたのだろう。

私はどうしてこんなに弱い人間なのだろう…

ある夜、私は過呼吸を起こした。

その夜は、いつも以上に看護士が何度も見回りに来た。

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