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妄想と生きる。

第39章 仕事復帰。


『仕事始めたからって変われる?環境が変わったからって、本当に自分も変われそう?』

病院で知り合った看護師に言われた。

入院中に過呼吸を起こしてしまった時、心配して病室に様子を見に来てくれた看護士さんだ。

他の看護師に『主任』と呼ばれていた。

退院する日に、いろいろ話を聞いてもらった。


『もうすぐ仕事復帰するし、変われると思う…』

そう言うと、

『本当に変われる自信あるの?』

ドキッとした。

自信ない。

『…そう言われると自信ない…です』



『変わろうと無理して、結局また体壊すといけないよ、心もね。
 1度ちゃんとした、専門的な所で診てもらったほうがいいと思うけど…』

そうなんだよね。

自分でも分かっているんです。

でも、行く勇気がないんです。


何でも話せてしまうような、親戚のおばちゃんみたいな看護師さんだった。

背中をポンっと押されたみたいで、話を聞いてもらっただけで少し前向きになれた。


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