テキストサイズ

妄想と生きる。

第42章 心療内科。


『キスして』

病院へ向かう途中。

信号で止まった時、私は言った。

『不安になってるの?
 俺も一緒にいくから大丈夫だろ』


まただ。

涙が勝手に出てくる。



心療内科…

心の病気。

そんなところへ一緒に行って、あなたに恥ずかしい思いをさせるんじゃないかって、私はずっと考えてた。


病院の待合室。

『アキさんですか?』

声をかけられた。

相談員と名乗るおばちゃん。

診察の前にいろいろ話を聞かせてほしいと相談室に連れて行かれた。


『話できますか?』

いろいろ聞かれた。

泣きそうになり私は涙をこらえた。

『我慢しないで、思いきって泣いていいんだよ』

私は泣いた。

『リストカットの傷見せてもらってもいい?』

私は腕を出した。

『辛かったね、最近はいつしちゃった?』

『…昨日です』

私は正直に答えた。

話を聞いてもらい、少しはスーッとした。

一度、待合室に戻り、しばらくして診察室へ呼ばれた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ