やっと、やっと…
第13章 命
線が一本
つまり陰性
妊娠してはいない
簡易検査ではあるものの
妊娠の可能性を否定するものだった
緊張は解れ、焦りのあった気持ちも
少しは落ち着いた
トイレを出てリビングで待つ姉の下へ向かう
「お姉ちゃん」
「唯! 検査できた?」
私と同じくらい緊張しながら
待っていてくれたんだろう
姉がすぐに振り返って心配そうにこちらを見る
「陰性だった」
私は落ち着いてそう答えた
「そっか・・・
とりあえず安心したね」
姉は大きく一息つくと
表情を和らげた
「何があったのかは
私にはちゃんと話してね」
リビングのソファーに座る姉が
自分の横をポンポンと叩きながらそう言う
私は促されるまま隣に座った
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