やっと、やっと…
第16章 再会、そして
-------------------------------・・・
唯をお風呂場へ案内して部屋のソファに戻る
(・・・っはぁ〜、しまった)
脱力して天井を仰ぎ見る
(早まったな・・・)
居酒屋にいる時も
ソファで話していた時も
ふと気づけば、唯に見とれていた
(あんな風に見つめるから・・・)
上目で見つめられた時の唯の表情・・・
顔が赤らんで目を潤ませていた
そして、
ブラウスの隙間からちらっと見えた胸元に
不意に欲情してしまった
嫌がっている様子はなかったが
いきなりで驚かせてしまったかもしれない
8年間
いや、あの頃から考えれば
10年以上も唯のことを思ってきた
大切に、思ってきた
(簡単に手は出したくなかったのに・・・)
恋い焦がれた人はらあまりにも綺麗になって
女性らしく、色気も感じた
そんな女性に
欲を掻き立てられないわけがなかった
自分が唯を求める雄であることを痛感した
そんな事を考えながら悶々としていると
-------ガチャ
「お風呂、ありがとう」
唯がお風呂を出て戻ってきた
(・・・・・っやばい)
唯には大きすぎるTシャツに
ショートパンツ
黒いTシャツとショートパンツから
唯の白くて細い手足が覗く
化粧は落とされていて
髪はふわふわだった
さっきまでとは違う
可愛くて、小さくて愛らしい唯だった
今すぐにでも抱き締めてキスをして
押し倒してしまいたい気持ちをなんとか抑える
「お、おう・・・」
唯もお風呂上がりの姿を見られるのが恥ずかしいのか、少し俯いたまま、隣に座った
自分のものではあるが
シャンプーのいい香りが嗅覚までも刺激する
(・・・あぁ、もう本当にやばい)
このままでは我慢ができそうにないので
「お、俺も風呂入って来る」
自分の気持ちを悟られないよう、
なるべく落ち着いて、冷静にそう言って
お風呂場へ向かった
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