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第8章 恋

俺はあの日から、どうしたらいいかわからず、仕事に没頭し続けた。


「社長いつになったら、女子社員入れてくれるんですか?」
と佐藤が懇願している。
彼女がいた記憶は誰も失くなっていた。




あっという間のクリスマスかぁ。今年も彼女のいないクリスマス…。
俺は、いつの間にかあの公園に来ていた。
「朋聞いてくれ。やっぱり他に好きな人作るなんてできないよ。俺が人生全うして、そっちに行ったら…。」
泣きたくなってきた。やっと逢えたと思ったら…。
「永瀬 拓人なに泣いてんの(笑)?」
「うるせーなぁ。」
って、えっ今の声…朋が笑って立ってた。
「なっ、ど、どうしたんだよ?」
「神様に追い出されちゃった(笑)なぁんてね!誰かさんがメソメソしてるから心配で(笑)」
「メソメソなんか…朋逢いたかった。」
俺は朋を抱きしめた。
「本当は、私が毎日メソメソしてたの。だから神様が呆れて…。」
朋が言い終わるのを待たずに唇を重ねた。その瞬間、朋は…。




『神様いいんですか?こんな事して、ミカエル様に知れたら、とんでもない事になるんじゃないですか?』
『わしは神様だからミカエルなんぞ恐くないぞ!!』
『誰が恐いんですか?』
『ミ、ミカエル様!』
『とうとうあの子を下界に戻してしまったのね!』
『あの日から毎日泣いてたんだ。ここに来るのは、まだ早かったんじゃ!』
『あの子は来るべき時に来ます。』
なんだ二人ともあの子の幸せを願ってたんだ。たまには、こういう事があってもいいよね!





一年後…
「朋、俺と結婚しよう。一生大事にするから!」
「ありがとう。私も拓人くんの事、一生大事にする。」
場所はあの公園。
去年のクリスマスに奇跡が起きて、一年が経った。
プロポーズは、やっぱりこの公園と決めていた。
朋にキスをすると顔を真っ赤にして下を向いてしまう。
「朋なんで下向くの?」
「だって…」
「キスだけで、そんなに真っ赤になってたら夫婦生活どうなんの?」
ますます真っ赤になった朋を抱きしめながら、もう一度キスをした。


あの日から後悔し続けた日々がなくなりはしないけど、朋にもう一度逢え、もう一度恋した俺は、
「ん?拓人くんどうしたの?」
「朋、愛してる。」
俺は朋を抱きしめながらキスをした。







☆End☆

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