男気花飾り。
第10章 エアリーフリル。
“待ってろ!!!すぐ行くから!!!”
と…電話が切れた…
キュン―――――…
すぐ…来てくれる…
その言葉が……
胸にグッと来た…
俺は、寺の立ち寄るって言っていた“空島書店”まで来たが……
家を知らない自分に…ほとほと呆れていた…
そこまで…考えてなかった…
勢いよく家を飛び出たのに…情けない…
俺は…書店の前で寺を待つ事にした…
「彼〜〜〜〜〜女?
一人?待ち合わせ?」
「!!!」
や…ばい…
寺に…会うために…【女装】姿の俺は……
周りの人からみたら…
普通の女性に見える―――…
寺のための【女装】姿なのに…
しかも、この姿だと……
声出せないし……
困った…
書店のガラスに映る俺は……
可愛い系のコート…フレアスカートからスラリと伸びる細い足は…黒いタイツとブーティーが更にキュッと足を綺麗に見せている…
声をかけてきた…大学生風の男性は…
俺の頭から…つま先まで…
舐めるように見ている…
あ……怖い…