男気花飾り。
第6章 繊細なレース。
「もしもし!!!寺か?」
『あっ…雅?ど〜した?』
「ニット…の中に…
レースの付け衿が……」
『あ〜…店員が、ファーが取り外し出来るタイプで、春はレースの付け衿の方が可愛いって言うから…つい…』
なっ…なんで―――――…
「ついって……」
『気に入らなかったら…空ちゃんにでもあげていいから。』
なっ……何だよ――――…
『雅?おーい?雅?聞いてるか?』
「聞いてるって!
俺に…プレゼントしたって!!!何もでねーぞ!!!」
『いいんだよ。
タイプの子にプレゼント買う練習って事で!
雅もラッキーだろ?
今度、そのニット着て出掛けようぜ。』
「//////…」
『じゃぁな…お休み…』
ピッ―――――ツー・ツー・ツー
ツー・ツーっと電話は、切れているのに……
顔を赤くして…固まる…
な……何だよ…寺の奴!!!
フッと…鏡に映る自分…
女の子……
寺は――――――…
タイプの女性に…
プレゼントしたかっただけ…?
優しい…のは…タイプの女性に近いから?
この姿でなくなったら…
俺は…鏡の……
寺のタイプの…【その子】に――――――――…
嫉妬した―――――――…