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君に恋した冬

第10章 一筋の光





目が覚めた時には、次の日の夕方だった


ぼーっとする頭で昨日の事を思い出す


アキラ…会えなかった…


目の前が涙で滲む
全身がズキズキして、起き上がることが出来ない


『ふっ…』


泣けば泣くほど身体は痛む
それが大智から暴行を受けたという証拠だった


出来れば嘘だと思いたかった
由梨が好きだった頃の大智は
もうそこには居ないのだ



ガチャ



「由梨…目が覚めたんだな…良かった…」


前と同様、またしても大智は泣いていた


「ごめん、また…俺…
由梨がこのまま起きなかったらって思ったら…」


『…』


「でも、由梨が悪いんだぞ。また俺を裏切ろうとするから」


『…ごめんなさい』


そう…私がまた
アキラを頼ろうとしたから…


「頼むから俺の事だけ見てて。もう絶対他の男と会わないで。話しもしないで。」


『…』


「あいつの番号は消したから」


『…!?』


全身の痛みを忘れて起き上がる


『どうして…!!』


「だって、もういらないだろ?
俺がいるのに。」


そんな…


『勝手に携帯触ったの!?』

「チッ」

パンッ

大智は舌打ちをして、由梨の頭を叩いた


『…』


また布団に倒れ込む


「あいつも、もうお前とは会わないってさ」


…嘘だ


アキラがそんな事言うはず…



ないのかな…




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