君に恋した冬
第19章 過去
あれからとりあえず、おばさんが落ち着くのを待つために、おばさんの病室に来ていた。
広い個室でベッドには【浅井春子】と書かれていた。
「ごめんなさいね…取り乱してしまって…」
『いえ…。お身体大丈夫ですか?』
「えぇ。今日は調子が良くて…ありがとう」
恭介は窓の外を眺めていてこちらからは表情を窺うことは出来なかったが
側に立っていたおじさんは、まだ少し強張った様な顔をしていた
私…ここにいていいのかな…
手持ち無沙汰になった由梨は、未来の所へ行こうと立ち上がった
『あの…それじゃあ、私はこれで…』
言いかけた瞬間、おばさんが少し慌てた様子で由梨の腕を掴んだ
「待って…!」
『え……』
驚きのあまり少し固まってしまう。
そんな由梨におばさんはポツリポツリと話し出した。
「ごめんなさい…少し、私の話に付き合ってもらえないかしら?」
おばさんの焦った様な表情に、由梨もどこか放っておく事が出来ずに、黙って席についた
それからおばさんの話に由梨はどんどん困惑していった。