君に恋した冬
第19章 過去
お前がまだ5歳の頃
俺ら家族はすげぇ仲が良かった。
一度山に連れて行っただろ?
あれも、毎年恒例の旅行の場所だ。
その山に、また両方の家族で旅行に出かけたんだ。
あの頃から、お前は俺や恭にすげぇ懐いてて
俺もそんなお前がガキなりに本気で好きだったし
恭も同じだった。
きょーちゃん、あっくん
そう呼んで俺らの後をちょこまか着いて来てて
すぐ転ぶし…守ってやらないとって思ってた。
あの頃のお前はよく笑ってた。
いつもニコニコしてて…
逆にそれが俺の中で違和感を感じてたんだ。
そして、その旅行の最中
その違和感の正体を、俺は突き止めてしまった。